安心してください。電子図書館がありますよ♪

臨時休館になって、早1週間。休館中も、図書館の返却ポストにはこれまで貸し出されていた本がどんどん返ってきています。

…ということは、読む本がなくてお困りの利用者さんも多いのでは…

でも、安心してください。

まんのう町立図書館には、電子図書館がありますよ‼

まんのう町立図書館の電子図書館は、図書館の利用者カードをお持ちの方ならどなたでもご利用いただけます。貸出冊数は3冊まで、貸出期間は15日間。まんのう町立図書館のHPからアクセスできます。

利用者カードをお手元に用意して、まんのう町立図書館HPの左下にある【電子図書館入口】をクリックしてください。

電子図書館に入ったら、まずはサインイン。サインイン画面(右)の上段には、利用者カードの右下にあるバーコードに記載されている数字(ハイフンなし)、下段のパスワードはご登録いただいている電話番号の下4ケタが初期設定になっています。

次は、電子図書館のトップページから読みたい本を探します。

電子図書館の所蔵は、およそ700冊。実用書が多めです。

トップページに表示されている新着やジャンル別のおすすめから探すも良し。ページ上部にある【🔎検索】でキーワード検索しても良し。読みたい本が見つかったら、クリックしてください。

読みたい本をクリックすると、左画像のような解説ページが開くので、【借りる】をクリックすれば、これで貸出OK✌右画像のようなポップアップが出ますので【ブラウザで今すぐ読む】を押していただくと、自動的にMedia Do電子書籍のアプリが立ち上がり、本を読むことができます。

図鑑や写真集は、拡大してすみずみまでじっくり見ることができるし、レシピ本は、お手持ちのタブレットやPCを台所に持って行けば、読みながらお料理OK👌

図書館の本ではできないことが、電子書籍ならできる‼ のです。

 

返却は、電子図書館トップページ上部の本棚マークからしていただくか、貸出から15日経つと自動的に返却されます。

休館中、ご不便をおかけしますが、この機会に是非、電子図書館をご利用ください❤

 

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第12回 ブログ版農業講座「みんな知りたい病害虫のこと 前編」

新型コロナ感染者の急増で再び休館することとなり、予定していたおはなし会やイベントを楽しみにされていた方も多いなか、利用者の皆さんにはご迷惑をおかけしています。

今回のブログは、今月24日に開催予定だった農業講座『みんな知りたい病害虫のこと』をブログ版に変更し、お届けしたいと思います。ご予約いただいていた方もそうでない方も、お楽しみいただければうれしいです♪

今回も講師はもちろん、豊嶋和人さんです。

 

【みんな知りたい病害虫のこと 前編】

寒い日が続きますねえ。

これだけ寒いと虫がいないと思いきや、探せば結構いるもので、結球白菜の外葉を一枚めくるとオサムシやハネカクシが現れたり、うっかりアブラムシがわいていたり、そういうところではアブラムシを食べるヒラタアブの幼虫も元気に食事をしてますね。

開催予定でした農業講座では参加者の皆さんのお困り病害虫を伺っていたんですけど、全て虫の相談でしたので、今回は最近新たに発生した虫や新しい技術の話を交えながらお答えしていきたいと思います。

 

まずはアブラムシです。

真夏以外はいつでもどこかにいますよね。困ったもんです。一番多い季節は春か秋でしょうか。まずはアブラムシを食べる虫が増える環境を畑に作ってみましょう。昨年春の農業講座でもお話したのですが、畑にお花がたくさんあると、ヒラタアブのような成虫が花粉を食べ幼虫がアブラムシを食べる虫が集まってきます。おすすめは春の菜の花、キンセンカです。

そういえば先日オンラインで参加した天敵利用研究会の大会では面白い発表がありました。ある試験場の圃場で、年中お花畑が維持できるように19種類もの花の種をミックスしてある「ミックスフラワー」の種を播いて一年間観察したんだそうです。するとヒラタアブや、アザミウマを食べてくれる雑食カメムシのヒメハナカメムシ・タバコカスミカメなどがとてもたくさん集まってきたとか。やはりお花畑作戦は有効のようです。

もしアブラムシが増えすぎて天敵昆虫では食べきれなくなってしまった場合は農薬を使うことになりますが、できるだけ天敵に影響の少ない殺虫剤を使いましょう。アブラムシを打ち漏らしたり虫が再び増えてきても天敵がいれば食べてくれますからね。昆虫が呼吸をする気門を塞いで窒息させる気門封鎖剤という種類の殺虫剤がたくさん市販されています。油脂やでんぷんなど、べたべたした液体を主成分にしているもので、たいていはハダニやコナジラミやアブラムシ、そしてうどんこ病にも効果があるとして登録がされています。アブラムシに効果が高いのはでんぷんや還元水あめを主成分にした、油脂よりも粘度の高い気門封鎖剤です。油脂系のものはどちらかというとハダニを得意とします。

 

続いては冬野菜につくイモムシを農薬を使わずに防ぐ方法についてです。

ご質問のなかにもあったのですが、防虫ネットは成虫のガや蝶の侵入を防ぐいい方法です。が、注意点が2点あります。ひとつはイモムシがつく季節は比較的高温多湿ですから虫をふせぎつつネットで蒸れないような目合いを選びましょう。蒸れると徒長や病気の原因になりますから。ガや蝶の成虫の侵入を防げる一番大きな目合は4mmです。防虫ネットとして売られているものはアブラムシやアザミウマを想定して0.4mmから1mmのものが多いのですが、防風ネットなら4mmのものがありますから流用してもいいかもしれません。もうひとつの注意点は、ハスモンヨトウという8月9月に多く発生する虫はネットの外側に卵のかたまりを産み付け、幼虫が網目をくぐってネットのなかに侵入することがあります。卵は塊になっていますのですぐわかります。もし見つけたら取り除いてしまいましょう。

イモムシの天敵にはどんな生き物がいるでしょうか。スズメバチやアシナガバチはイモムシをよく捕って巣に運びますが、ちょっと人間も近づきにくいですね。ハチ以外でいちばんイモムシを捕食するのは、コモリグモやハサミムシ、ゴミムシ等の肉食のクモや甲虫類です。あと、先程アブラムシで天敵として挙げましたヒラタアブの幼虫も、イモムシが小さいうちは食らいついてくれます。

ヒラタアブを増やすにはお花が大事と書きましたが、地上を這っているクモや甲虫類には低い草をはやしておくといい生息場所になるようです。ソバや大麦を野菜のまわりに生やしておくと増えるという研究もあるのですが、なかなかそれも大変です。もし畑の外周の肥料をまいてないところや畦畔にクローバーが生えていたらそこは耕うんや除草をせずに置いておきましょう。地上を這う肉食の虫たちの生息場所になります。クローバーの花にはヒメハナカメムシも集まります。

イモムシついでに最近日本に侵入したちょっと心配なイモムシを2種紹介します。

まずは3年前にはじめて確認されたツマジロクサヨトウという海外ではトウモロコシの大害虫として知られる虫です。日本では南西諸島以外では越冬できないので毎年ジェット気流に乗って中国南部やベトナム、台湾あたりからやってきます。うちでは一昨年に9月取りのスイートコーンに幼虫がついているのを見ました。

とにかくよく動いてよく食べてよく糞をします。海外で問題になっているのもわかります。ただ、後述するトビイロウンカ同様気流次第なところがあるので発生は風まかせのようです。去年はトビイロウンカともども見ませんでした。

もうひとつはトマトキバガという名前の通りトマトの大害虫として知られる虫です。小さな幼虫がトマトの実のなかに入ってしまうそうです。去年の秋以降に九州のトマトハウスで確認されています。殺虫剤が効きにくいことから、南欧やアフリカでは天敵のタバコカスミカメをハウスに放って防除しています。

イモムシではないですが、全国的に分布が拡大していて香川県でも去年の秋に確認された虫を紹介しておきましょう。ちょうどうちにもいたんですよ。

左の写真、葉が白くなってしまってますけど、病気ではなく、ネギハモグリバエ新系統とか別系統とかB系統とか呼ばれている虫の食害です。

右の写真では白い食害跡のなかに黒い幼虫が見えます。ハモグリバエは別名エカキムシと呼ばれます。まるで絵を書くように線状に葉のなかを食べ進んでいる食害跡をネギ以外の野菜や花の葉でも見たことがある方もいらっしゃると思います。この新しいネギハモグリバエの系統は、多数の虫が葉の中を猛烈に食べて、あたかも食害跡で葉を塗りつぶしたようになってしまうのが特徴です。エカキムシならぬヌリエムシとでもいいましょうか。当然従来からいるネギハモグリバエより被害が大きいので注意が必要です。すでに定着した他県では、従来の系統がこちらの新系統に置き換わっているところもあるようです。対処方法は従来の系統と変わらない薬剤防除なのですが、被害が大きくて無視できないのが困ったところです。

畑の虫だけでずいぶん長くなってしまいましたので、イネにつく虫は次回やりたいと思います。こちらは今年からはじまる農薬の新しい規制も関わってきます。

 

さて、今回ご紹介する本は

『虫の卵ハンドブック』鈴木知之∥著 (4861 ス)

畑を観察しているときれいな虫の卵を見ることがあります。それだけで楽しいですが、その卵が害虫のものか益虫のものか分かれば、菜園仕事の助けにもなります。卵だけじゃなく成長した姿もちゃんと載っています。


次回、後編「イネにつく虫」をお楽しみに!

 

 

 

 

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2022 Happy New Year!🎍

新年、あけましておめでとうございます🎊

令和も4年目に突入ですね。

今年は久々に家族そろってのお正月を迎えられている方も多いのではないでしょうか?

お雑煮やお節料理も、みんなで食べるとおいしさが違いますよね (^_-)-☆

 

町立図書館は、本日1月5日午前10時より開館しております。

新年のイベント第一弾は、恒例の「本の福袋」です。

 

 

テーマの書かれた袋の中から、お好きなものを選んで借りていただきます。

袋の中身は開けてからのお楽しみ ♪

どんな本が入っているのでしょうか?

本との新たな出会いを楽しんでくださいね。

大人と子ども、それぞれ20袋限定ですので、早い者勝ちですよ。

みなさまのご来館をお待ちしています。

 

2022年も、まんのう町立図書館は、すべての人と「つながる図書館」を目指して邁進してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

 

 

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年の瀬のごあいさつ

クリスマスも終わり、今年も残すところ数日となりました。

年の瀬になると、それだけで少し慌ただしい気分になりますよね。

 

さて、2021年も大詰めとなりましたが、昨年に引き続き、新型コロナウイルスの影響で、何かと規制の多い年でしたね。

そんな状況の中でも、オリンピック・パラリンピックの開催に沸いたり、大谷選手の活躍や、将棋の藤井聡太棋士の偉業に感嘆したり、楽しいこともたくさんありましたよね。

町立図書館でも感染対策に留意しながら、少しずつですが、おはなし会や教養講座を再開できるようになりました。

毎回多くの方にご参加いただき、「楽しみにしてましたよ」という声をかけていただくたびに、人と人が言葉や笑顔を交わし、直に触れ合うことがどれほど大切か痛感いたしました。

来年こそは…。

そんな思いを強くする年の瀬でもあります。

2021年、大変多くの方に図書館をご利用いただき、心より感謝申し上げます。

新たな年も、本を通して〈図書館〉と〈人〉と〈地域〉がつながり合える展示やイベントを考えております。

すべての人がつながれる図書館を目指して、スタッフ一同邁進してまいりますので、よろしくお願いいたします。

2022年も、みなさまのご来館をお待ちしています。

 

12月28日㈫~1月4日㈫年末年始の休館となります。

期間中の本の返却は、図書館南側壁面(駐車場側)の返却ポストをご利用ください。

尚、DVD、CD付き本、大型絵本、紙芝居等は、破損の恐れがありますので、1月5日㈬以降に図書館カウンターでの返却をお願い致します。

 

新年は、1月5日㈬ 午前10時から開館いたします。

新年のイベント第一弾は、恒例の「本の福袋」です。

大人と子ども、各20袋の数量限定ですので、お早めにお越しくださいね (^_-)-☆

 

寒波襲来の折、みなさま体調にお気をつけください。

来たる年が、みなさまにとって素晴らしい1年となりますように。

 

まんのう町立図書館 スタッフ一同

 

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今月のおはなし会♪

香川県のコロナ新規感染者数も1カ月以上0が続いていることから、先月に引き続き今月も3つのおはなし会を開催することができました♪

まずは12/4の「あかちゃんのためのおはなし会」。今回のテーマはさむ~い今の時期にうれしい「ぽかぽかおふろ」です。

こねこのきょうだいのおふろタイムにみんな興味しんしん…

そして…

みんなで楽しく手あそび♬ あかちゃんとの良い触れ合いになりました♪

今回は初めての試みとして、子育て中のみなさまへ、一篇の詩を紹介しました。ニュージーランドを中心とする英語圏に伝わる“詠み人知らず”の詩を、詩人でエッセイストの伊藤比呂美さんが訳したものです。

“いまかけがえのないこの子をいつくしんでやれているのなら、それで大丈夫”

そんなメッセージに励まされる本でした。

これからも、子育てに携わる方々に寄り添った本をご紹介していきたいと思います!

 

12/12(日)は、読み聞かせボランティア「すまいりぃ」さんの「絵本であそぼう」。

なんと0歳から小学校2年生まで、7組9人の子どもたちが集まる大盛況!常連さんだけでなく、ふらっと立ち寄った方も参加してくれて、楽しい会になりました。

問いかけに答えてくれる元気な声が館内に響くと、自然と笑顔になっちゃいますね(≧▽≦)

おはなし会に参加するとスタンプカードをお渡ししています。

カードがいっぱいになるとステキなプレゼントがありますよ!今回は、あと1つ…となっているお友だちも来てくれていました!次回をお楽しみにね♪

 

12/18(日)は「さぬき語りの会」さんによるおはなし会。

直前までお子さんの来館が少なく、どうかな?と不安でしたが6人のお友だちが遊びに来てくれました。なかには一度帰ってから戻ってこられたお友だちも!

えほんに登場する動物たちをパネルに貼り付けながらおはなしを展開するパネルシアターでは、どんどんでてくる動物たちにみんな大興奮で見入っていました!

今回参加してくださったみなさん、ありがとうございました。来月もお楽しみに!!

 

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本でふり返る2021📖

今年も残すところ、あとわずか。

あっという間の1年でしたが、みなさんにとって、2021年はどんな年でしたか?

昨年に引き続き、コロナで大変な年でしたが、楽しいことや嬉しいこともたくさんありましたよね。

町立図書館では、2021年の出来事を本でふり返る展示を開催中です。

 

あんなこと、こんなこと…。

本とともに1年の総決算をしてみるのもいいですね。

 

 

 

クリスマスも、まだまだ盛り上がっていますよ。

 

 

場所を図書館中央に移して開催中です 🎄

 

そしてそして、先日まで特別展示をしていた「SDGs」が、常設コーナーになりました!!

各目標ごとに、おすすめの本をまとめたブックリストもございますので、是非ご活用ください。

 

ロビーで開催中の「みんなで育てるSDGsの木」も、たくさんの方のご協力で、立派な大木に育ちましたよ ☺

 

小さな葉っぱが、日ごとに増えていき、こんなにも葉を茂らせた大きな木に成長しました。

 

 

 

ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。

結果はまた集計して、掲示にて発表しま~す!

みなさまの興味のある目標の関連展示も行いますね♪

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図書館見学隊ご来館♪

冬将軍の到来で、寒さも本格的になってきましたね。

通勤や通学の際も、ちょっと厚手のコートが必要になってきますよね。

さて先日の12月17日、町立図書館にはそんな寒さを吹き飛ばすような、元気いっぱいのお友だちがたくさん来てくれました。

図書館の見学に来てくれたのは、四條小学校の1年生36名です。

 

 

まずは、紙芝居で図書館でのお約束事や、利用の仕方をお勉強します。

みんな、お行儀よく真剣に聞いてくれましたね。

 

では、図書館ツアーに出発です!!

 

図書館の中心に立って、左側が大人の本で、右側が子どもの本に分かれていますよ。

今日は、子どもの本が並んでいるエリアに行きましょう!

 

普段は見ることのできない、返却ポストの中を、特別に見学しましたよ。

並んで順番に中をのぞいてみると…。

今日見たことは、決して誰にも話しちゃいけませんよ (笑)

 

では、本日のメインイベントです。

借りたい本を選んでください。

「ねぇねぇ、どれにする?」

たくさんの本の中から、1冊だけ選ぶってむずかしいよね。

 

 

検索機で、お目当ての本の場所を調べたりもしましたよ (^_-)-☆

 

 

借りる本が決まったら、いよいよ貸出です。

 

バーコードをピッとしたら、画面をタッチ!

あっという間に貸出できましたよ ♪

 

最後に読書通帳の記帳をすれば完了です。

 

借りた本は、やっぱりすぐに読みたいですよね。

みんな、夢中になってページをめくっていました。

 

短い時間でしたが、図書館のこと好きになってくれたかな?

これからもたくさん本を借りて、通帳をいっぱいにしてくださいね。

四條小学校のみなさん、ありがとうございました。

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第11回 ブログ版 郷土史講座「満濃池シリーズ10」

2020年の5月から始まったブログ版の郷土史講座も11回を数え、満濃池シリーズは10回目の節目を迎えました。

一つの池をめぐる歴史秘話が、壮大な時代絵巻になったようですね。

今回は満濃池シリーズの集大成です。

知られざる郷土の歴史について教えて下さるのは、片岡孝暢さんです。

 

第11回ブログ版 「郷土史講座」 ~満濃池シリ-ズ10~

<あなたは現在の堤から、景観がどのように見えますか?>

まだまだたくさん探究したいことがあるのですが、今回で、「満濃池シリ-ズ」に一応の区切りをしたいと思います。太郎君と花子さんの「対話・問答」を通して、国の名勝としての満濃池の存在や意味を問い直してみましょう。

 

花子さん:堤からの満濃池の景観は、いつ見てもすばらしいわね。特に春、東北側の池畔周辺ロードに咲いた「河津桜」越しに見える満濃池は見事だったわ。(写真①)

 

写真① 池湖畔の河津桜(本人撮影)

 

写真② 取水塔から見た朝日(本人撮影)

 

写真③ 五毛から見える象頭山(本人撮影)

 

写真④ かりん会館下公園から見た堤の雪景色(本人撮影)

 

太郎くん:そうだね。堤から尾瀬山や大川山、竜王山まで見えるからすばらしい眺めだね。僕は、取水塔側の堤から見る朝日(写真②)や、五毛の方から満濃池の向こうに見える象頭山(写真③)、そして堤の雪景色(写真④)も好きだよ。

太郎くん:今は多くの観光客や小学生が学習にやってきているね。また、地域の方が遊歩道を散歩したり、親子でサイクリングしている姿も見るし、写真を撮ったり、絵を描いている人もたくさんいるよ。

花子さん:ところで昔は、満濃池はどうだったのかな?

太郎くん:平安時代の『今昔物語集』には、「讃岐国那珂郡に万能の池という非常に大きな池があった。・・・とても池には見えず、海のように見えた。池は底知れぬほど深いので、大小の魚は数知れず、また竜の住処となっていた」と記されているよ。

太郎くん:また、江戸時代、高松藩の八代藩主松平頼儀(よりのり;襄公/じょうこう)が、寛政8年(1796)の巡視の時、満濃池にも立ち寄り、その時の様子が記録に残っているよ。「十一月二十一日・・・薄暮に満濃池に行き堤に莚を敷き、燈をともして池を観た。藩内に大きな池が三つあるが、これが最大であると言われた。・・・」、翌日も再び満濃池を観ている。                     (『仲南町誌』より引用)

花子さん:今でいう調査だけど、花見という面もあったのね?讃岐名勝図会中の絵図「池宮」にも、いろいろ歌が書かれていたし、明治の初めには堤防の上に桜や楓、つつじやさつきが植えられていたみたいね。

太郎くん:それに、『讃岐名勝図会』によると、本文の追記部分で「爰に於いて遠近の諸人、池遊覧せんとて、日毎に弁当・□□を□え、爰に至る者の□□□せりしかば、堤の辺に桟敷・机木を設けて遊客を憩しめ、酒肴箸を商う者もあり。□□村民の潤いとなせるは、是も窮民を救い給う一助なるべし」と記されている。たぶん、近くから遠方までの人々が、満濃池を遊覧するために、弁当等を携え常に絶え間なくやってきては、堤の傍らに桟敷(さじき)や机を置き憩いの場として楽しんでいる。そこには酒の肴を商売する者もいて、遊び客も商売人もお互いが助け合っている、というような意味だと思う。とても風情があっていいね。(尚、文中の□は解読しにくかった箇所です。)

花子さん:満濃池は農業用水や治水としての役目はもちろんだけど、今も昔も憩いや観光地、学びの場として老若男女を問わず多くの人々から慕われてきたのね。

 

花子さん:今は、香川用水を引いて早明浦ダム(池田ダム)や吉野川の水を分けてもらっているけど、讃岐の人々は、「水との闘い」の歴史だったということ、水の大切さを忘れてはならないわね。昭和三十年頃まで、吉野地区の方が公平に水を配分するために、「線香」を使って時間配分を決め、次々と順番に田に水を入れていたという話を聞いたことがあるわ。これも先人の知恵の一つだと思うけど、昼夜を問わずずっと見ていないといけないから大変だったと思うわ。

太郎くん:そうだね。吉野地区の隣の真野地区では、(地元の古老の方の話による)人々が日常で使っているものを利用していたそうだよ。親線香と子線香を炭コタツに入れ、それを「とうけ」の中に入れて(写真⑤、⑥)その火から子の線香がもらい火をする。そして、一反あたり一本半:一本約四十分とし、帳面を見ながら本数を決めて実施しこの線香水を行っていたそうだ。まず下流の人が、水が来ないとの申し出があると、水親は線香番と水入り切り番の二人に線香桶と帳面、拍子木を持たせて「線香水」を行っていたそうだよ。

 

写真⑤ 真野地区の古老の方の話をもとに描いた線香箱(筆者)本人撮影

 

写真⑥ 真野地区で使用していた同じ線香(緑が親線香)    本人撮影

 

太郎くん:現在は満濃池の水を農業用としてまんのう町、琴平町、多度津町、善通寺市、丸亀市の2市3町の地域の人達が使っているけど(受益面積約3,000ha)、いま一度、水事情の厳しかった時代の先人の苦労や知恵に思いを馳せ、限りある水の有効利用に取り組んでいかなければならいと思うよ。また、第三次嵩上げの際、永年池内に住んでいた五毛集落(二十八戸の家庭)の人々の移転が余儀なくされ、立ち退きに協力してくれたこと、そこでの生活を存続できなかった人々の思いも決し忘れてはならないね。(「竣工記念碑」の台座に移転を余儀なくされた方々の名前が刻まれています。第9回の写真⑫と今回の写真⑦、⑧)

 

写真⑦ 池に沈んだ五毛岡地区の民家跡(本人撮影)

 

写真⑧ 岬の桟橋跡から見た五毛地区(池中:元の山神社跡、山の麓:現在の五毛集落、右手前岸辺:岡集落)  本人撮影

(尚、場所については、第10回ブログ版の地図②を参照してください。)

 

太郎くん:また、満濃池とは直接関係ないけど、満濃池の東北岸より北部一帯に広がる高原状台地に「国営讃岐まんのう公園」があり、公園内に「竜」の名称がたくさんあるよね。実は、ここは「龍頭(りゅうず)」(このあたりが伝説に出て来る満濃池の龍の休み場であったことに由るとか、又は武道口の東側あたりにある大きい岩が龍の頭に似ている所から来たとか言われている)という地域・集落(最盛期27戸)があり、入植と開拓(戦後の引揚者対策も含む)の歴史をもった地区であった。明治、大正時代は旧陸軍の演習場となり、昭和時代は葉タバコを中心とした畑作、そしてため池や満濃池からのポンによる揚水で水田も行っていたが、昭和40年頃の開発ブ-ムにより(株)満濃農園の買収で離農し、その後昭和59年国の計画によって公園となったようだ。(吉井正雄氏「“龍頭”今昔」を参照)

それから、環境という視点からも動植物の生態系保持や森林保全にも努めていかなければならないね。また、満濃池の水そのものも直接・間接流域の森林と無関係ではないから。

花子さん:そういった意味でも、満濃池の堤の上に立つと、千三百年の歴史の重みを感じるわね。そして、これからもこの満濃池をみんなで大切に守っていかなくてはならないわね。 

太郎くん:そうだね。それから、神野寺南西側の小高い山上(神野山)に(ミニ八十八か所巡りの途中の山上)神櫛(かみくし)神社跡があり、そこの石碑にルーズズベルト大統領の名前が刻まれていて驚いたよ。次の写真⑨(左端)がそれだよ。

 

写真⑨ 神櫛神社石碑(本人撮影)

 

花梨さん:でも、どうしてルーズズベルト大統領の名前が刻まれているのかしら?

太郎くん:矢原氏の子孫の方に話を聞いてみると、明治37年(1904)、日露戦争が始まったのだけど、長期戦になることを畏れた両者は、セオドア・ルーズズベルト大統領の斡旋によって、明治38年(1905)、アメリカのポーツマスで日本全権小村寿太郎とロシア全権ウイッテはポーツマス講話条約に調印したと。当時、「平和」を強く望む矢原氏の想いから、この二人の業績に感謝して石碑に名前を刻んだと聞いている、と言われていたよ。“満濃池から世界が見える”と思ったね。

花梨さん:なるほど、そういう意味があったのね。すばらしい方ね。

 

太郎くん:最後になったけど、満濃池を見下ろせる西の高台に、「悠々麗澤」(ゆうゆうれいたく)という4字が刻まれた御柱(石柱)が建っているのを知っているかな?これは、「遥か久しく急がず豊かに潤い恵にあふれ、人々に恩恵を与え続ける美しい景観」という意味だそうだけど、僕はこの言葉がとてもいいなあと思うよ。

 

写真➉ 満濃池西高台(神野山)に建つ御柱(本人撮影)

 

花子さん:これまでの満濃池の学習を通して、本当に満濃池(郷土)の魅力の再発見ができて楽しかったわ。ありがとう!友達にも伝えたいわ。

太郎くん:僕も一緒に学習できて楽しかったよ。ありがとう!少しでも多くの方々に、満濃池の魅力を知ってもらいたいね

 

 

満濃池をめぐる歴史浪漫の旅、いかがでしたでしょうか。

ハイキングや行楽をかねて、ちょっと池まで足を運んでみたくなった方もいらっしゃるのではないでしょうかね。

片岡さん、貴重なおはなしをありがとうございました。

 

 

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第11回 ブログ版 農業講座「さむい冬をどうやってしのぐかのお話」

寒さも本格的になってきましたね。

あたたかい料理が恋しい季節ですが、おいしい冬野菜は冬の寒さを耐え抜き、栄養と旨味をぎゅっと体の中にため込んでいるのでしょうね。

今回の「ブログ版農業講座」では、そんな寒い冬を乗り切る工夫や知恵を、たっぷりと教えていただきます。

講師はお馴染み、大人気の豊嶋和人さんです。

 

【さむい冬をどうやってしのぐかのお話】

 

秋があったかくてレタスがよくできる(お安い)のはもう毎年のことになりましたが、今年はラニーニャ現象で寒い冬がやってきそうです。実は去年の冬もラニーニャ現象でしたが、寒かったのは12月中旬から1月中旬の約一ヶ月間だけであとは平年よりもだいぶ暖かく、冬季全体で見ると暖冬になりました。

ここで早速少し余談ですが、毎度おなじみミナミアオカメムシ(第8回参照)が今年の春から初夏にかけてはほとんど見られませんでした。おかげでオクラやナスやスイートコーンでは助かりましたけど、なぜいなかったんでしょう。ミナミアオカメムシはいちばん寒い月の平均気温が5℃を下回る土地では越冬できないとされています。1月も2月も平均気温は5℃を越えていました。ところが寒かった12月中旬からの一ヶ月間の平均気温をとってみると5℃を切ってたんですね。なるほど先人の研究の通りでした。下の写真①は、晩秋のミナミアオカメムシです。日照時間が短くなるとこういう色に変化し活動量を減らして越冬の態勢に入る個体が増えてきます。

 

写真① 晩秋のミナミアオカメムシ(本人撮影)

 

今年の冬の話にもどしますね。極端な寒さにさらされると作物は生育を止めてしまいます。何度も霜に当たると傷んでしまうこともあるでしょう。今回はそれをうまく回避してクリスマスやお正月に美味しい野菜を間に合わせるコツを紹介します。

その前に、畑そのものの保温力を考えてみましょう。じつは日当たりがいっしょでも畑によって地中の温度は微妙に異なります。主な原因は土壌粒子の大きさです。土壌粒子の大きさはざっくり3種類に分けられます。砂>シルト>粘土の順に粒子が大きくなります。土壌粒子が大きいほど地温が上がりやすく、冷めにくくなるんです。大きな粒子ほど溜めた熱が冷めにくいですし、そういう土は水はけがよく乾燥していることが多いので気化熱を奪われることが少ないためです。というわけでいわゆる「ガラク」のような砂っぽい田んぼのほうが地温が下がりにくくなります。

先日の農業講座でも紹介したんですけど、日本中の農耕地の土質(土壌の種類)・土性(土壌粒子の大きさ)を細かく分類した地図「土壌図」が公開されています。これを見ると、田んぼがどんな土質・土性に分類されるかが分かって便利です。ほぼ全てが水田のまんのう町平野部には、グライ土、灰色低地土、褐色低地土の3種類の土質があり、土性は砂地から重粘土質までまちまちなことがわかります。

農研機構 日本土壌インベトリー

 

砂っぽい土性のほうが真冬でも作物がよく生育します。1月取りブロッコリーや超極早生と言われる冬取りの玉ねぎなどでは、経験上土性による差が出やすいように思います。ただ砂地は乾燥しやすく、肥料も雨で流れてしまいやすいのでその点は注意が必要です。

土壌の乾燥や肥料の流亡を防ぐ便利な道具といえばマルチシートですが、マルチは種類の特性を知って選べば地温のコントロールにも便利です。シルバーや白のマルチは光を反射して地温を下げ、黒いマルチは熱を吸収して地温を上げると家庭菜園の本にもよく書いてあります。でも黒マルチの地温を上げる効果は地表近くに限られるんですね。なぜならば光線を通さないため、土を直接あたためるわけではないからです。というわけで、光線を全て透過させる透明のマルチが地温上昇効果は一番高くなります。しかし、困ったことに植物の生育に重要な可視光線も全て通すために透明マルチの下はあたかも温室のようになり、それはもう草がたくさん生えてしまいます。

そのため、植物が主に光合成に使う可視光線を通さずに、赤外線をなるべく通す工夫をしたマルチがいろいろと開発されていて、それがまた色とりどりで楽しいんですよ。下の三色盛りはいずれも黒マルチよりも地温を上げる効果の高いマルチです。(写真②)

 

写真② 三色盛りマルチ(本人撮影)

 

 

ではどれだけ地温が上がるか、11月下旬の晴れた日の夕方4時頃、10cm下の地温を計ってみました。

まずはマルチを張ってないにんにくの畝です。(写真③) 上の0.23という数字はEC(電気伝導率)といって、土の中の水にどれだけ養分や塩類が溶けているかを示す数字です。下の数字が地温です。13.6℃ですね。

写真③ マルチを張っていない状態(本人撮影)

 

 

続いて黒マルチです。(写真④) 15.5℃に上がりました。余談ですが、レタスは肥料食いなのでECも高いですね。

写真④ 黒マルチを張った土(本人撮影)

 

 

次は青マルチです。(写真⑤) 黒っぽくて草を抑えつつ、光線を少し通します。黒より高く、16.8℃になりました。

写真⑤ 青いマルチを張った土(本人撮影)

 

 

最後は茶色いマルチです。(写真⑥) 赤外線をたくさん通しますが、草も結構生えます。さすが、18.7℃を叩き出しました。

写真⑥ 茶色のマルチを張った土(本人撮影)

 

そもそも地温が上がると生育がよくなるのはなぜでしょうか。地温が上がれば地温と、地表付近の温度も上がるでしょうから単純に植物の活動が活発になります。あとは土の中の微生物の働きも活発になって、有機物の分解によって作物に肥料分が供給されやすくなります。

さらに生育を促進してやろうと思えば作物の周り全体を保温してやる必要があります。そうしたら霜からも守れますしね。ビニールハウスや、ネギやレタスで行うトンネル栽培などがおなじみです。ところがそれらはなかなか費用もかかりますし、トンネルだと設置や片付けの労力も大変です。そこで、そこそこの保温力と手間で作物全体を保温してやる不織布のべたがけがおすすめです。

こちらが一般的なべたがけのかけかた。(写真⑦) 作物のうえにそのままかぶせて数mおきに専用のピンで押さえてやります。短辺はたるませておいていいのですが、長辺はたるみのないようにピンと張り、始点と終点を丈夫な杭に巻きつけるなどしっかりと留めるのが飛ばないコツです。

 

写真⑦ べたかけの畝(本人撮影)

 

最近個人的に気に入ってる張り方が、トンネルの支柱を立てて、不織布を2重に張る方法です。(写真⑧) 背の高くなる作物に使います。適度に風を受け流す不織布の性質はそのままに2重に張ることで抑えが効くので、留めはトンネルのようにマイカー線を用いなくても、不織布の留め具だけで済みます。写真⑧は春先のオクラです。

 

写真⑧ トンネルに支柱を立てて不織布を2重に張った畝(本人撮影)

 

さて、今回の参考となる書籍は、

『農家が教えるマルチ&トンネル (張り方・使い方のコツと裏ワザ)』          農山漁村文化協会/編 (626ノ)です。

 

全国各地で行われている保温のワザが紹介されています。読む際の補助線をひとつ引いておきたいと思います。

被覆資材を固定するのに杭とマイカー線を使う方法と、裾に土を乗せる方法がありますが、これはそれぞれちゃんと理由があります。ポイントはその土地の土質土性と、換気の方法です。砂や火山灰のようなサラサラとした土では杭が抜けやすいですから、裾に土を乗せて留めます。サラサラとした土は片付けのときも楽です。

一方まんのう町の水田土壌のような土では、ビニール等の裾に乗せるとあとが大変です。

そして換気。土で留めたトンネルは裾をまくって換気ができませんから、最初から穴の開いた被覆資材を使うか、気温の上昇に応じて穴を開けていきます。杭とマイカー線を使うトンネルは裾をまくって換気ができるので、換気の面では楽でコントロールがしやすいと言えます。

こんなところまで、土の性質は関わってきます。冒頭紹介しました地温の差も含めて奥が深いでしょ? というわけで、講座でもおすすめしましたけれども、土壌医検定をみなさんも受けてみませんか。12月14日が出願申し込みの締切りです。

 

チャレンジされる方は、下記よりお申込できます。

↓↓↓↓

土壌医検定公式ホームページ

私たちがおいしい野菜や綺麗なお花を手にできるのは、生産者さんたちが手間暇かけて、丁寧に作ってくださっているおかげですね。

豊嶋さん、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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クリスマス特集はじまります🎄

早いもので、今年も残すところあと1カ月になりました。

もうすでに街の至ることろがクリスマスカラーに包まれ、心躍る季節になりましたね。

町立図書館でも恒例のビックツリーを飾り、クリスマスコーナーを設置いたしました。

 

 

 

1年で最も華やぐ季節を、心温まる本と一緒に過ごすのもいいですね。

みなさまのご来館をお待ちしています。

 

 

 

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