第16回 ブログ版農業講座「秋冬野菜の土づくり」

 

暑い日が続いていますね。

そんななか、コロナでずーっと中止になっていた対面での農業講座が8月1日に開催されました!予約も早々に埋まり、本当に待ちに待った講座を開くことができて、スタッフ一同ホッと一安心しています。

今回のブログは、その農業講座のフォローアップです。講座に参加された方もされなかった方も。秋冬野菜づくりに大切な土づくりについて、豊嶋和人さん、お願いします‼

暑いなかお集まりいただいたみなさん、ありがとうございました。暑いときは無理に外仕事をせずに涼しいところで本を読むのがいいですね。ちょっと内容を振り返ってみたいと思います。

そもそも土づくりとはなんでしょうか。土づくりの「土」はよい土のことなんでしょうけれども、ではよい土とはどんな土のことでしょう。

 

「よい土とは、作物の生育を阻害しない土である」(松中照夫『土は土である』p.13)

 

あたりまえといえばあたりまえなんですが、具体的に見てみますといろんな要素があります。

① 養分の過不足のない土(化学性がよい土)

② 硬くしまっていなくて、水はけがよく、適度に水もちがいい土(物理性がよい土)

③ 植物を病気にする微生物が少ない土(生物性がよい土)

 

養分の過不足はどうしてできてしまうのでしょうか。以前の肥料分がわりと残ってしまっている場合があります。土壌診断をすればはっきりわかるのですが、推定する方法もあります。前作の作物や草のほこり具合、緑肥を間に入れる場合は緑肥の出来具合を見てみましょう。生育後半まで青々としていれば肥料分が残っている可能性が高いです。あとは肥料分が雨で流されていないか。今年の梅雨は全般に空梅雨でしたね。例年より肥料分が残っていると推定できます。

土づくりに重要な堆肥で養分の過不足が起きてしまうことがあります。特に鶏糞は入れすぎに注意です。比較的効きやすい窒素、豊富なリン酸、あと肥料袋には保証成分として書いていませんが、採卵鶏の場合はカルシウムが10%程度含まれますから、そこにも注意です。逆に鶏糞を肥料として使う場合は窒素、リン酸、カルシウムは他のもので補う必要が少ないということになります。

「硬くしまっていなくて、水はけがよく、適度に水もちがいい土」

というのは言うが易しで、粒子が細かくて重いこのあたりの水田の土では難しいところがあります。積極的に堆肥を入れると理想には近づきますが、さきほどの要素の過剰が問題になります。樹皮を腐らせたバーク堆肥や、牛ふん堆肥でも養分の少ないものをたくさん入れましょう。

土の中に作物の病気の菌が多くなる典型例がいわゆる連作障害です。連作に弱いとされている作物は病気の菌を増やしやすいとも言えます。連作しないのが一番ですが、菌の性質を考えて土づくりをすることも大事です。作物を病気にするのは主に糸状菌(カビ)です。糸状菌は酸性を好みますので苦土石灰やカキ殻石灰で土壌の酸性を中和しておきましょう。有名なのはキャベツや白菜、ブロッコリーなどに大きな被害を及ぼす根こぶ病です。ここで重大な例外があります。じゃがいものそうか病です。この病気はアルカリを好む放線菌が引き起こす病気ですから、じゃがいもにはアルカリ性の石灰資材は不向きということになります。あとはいろんな微生物がたくさんいる土は病気の菌が増えにくくていいということが言われます。多様な微生物を増やすのも例によって堆肥のお仕事です。ただ、病気が出なくなるとまでは言えません。普段からの予防法のひとつでしょうか。

ところで今、かつてないほど肥料の価格が高くなっています。これは昨年からの傾向です。価格改定のたびに値上げとなって、多くの銘柄が一昨年あたりと比べて2倍前後の価格になってしまいました。ちょっとびっくりですね。

そんななかでも値段が上がっていないのが牛糞や鶏糞などの堆肥です。これらをたくさん入れて肥料分も期待しようというときに注意すべき点がいくつかあります。先ほどもでてきました過不足問題です。

牛糞の場合は肥料袋に書いてある窒素分が額面どおり出てきません。これはCN比(炭素窒素比)が高くて分解されにくいからです。なので硫安や尿素などの窒素肥料を補ってあげる必要があります。

鶏糞の場合は養分豊富でCN比も低く、化成肥料に近い肥料と言えます。ただ、窒素分が効きすぎると、あるいはたくさん含まれるカルシウムによってpHが上がると微量要素の吸収が抑えられて欠乏することがあります。特に秋冬野菜の主役となる大根やキャベツ、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜でホウ素の欠乏症に注意が必要です。ホウ素は一般にたくさん要らない養分ですが、アブラナ科は比較的ホウ素を必要とします。なければ茎が空洞になったり表面にかさぶたのような症状があらわれたり、日持ちが悪くなったりします。アブラナ科にはホウ素、これは覚えておいてください。

駆け足で振り返ってみましたが、まだまだ暑いようなので講座でも紹介しました図書館にある土づくりの本でじっくりと学んでみませんか。

今回の農業講座で以下の本を紹介しました(上から下にいくほど内容が詳しくなります)。

加藤哲郎『いちばんよくわかる超図解土と肥料入門』 6135 カ
藤原俊六郎『図解土壌の基礎知識』 6135 フ
村上圭一『鶏糞を使いこなす』 6134 ム
松中照夫『土は土である』  6135 マ
日本土壌協会編『土づくりと作物生産』 6135 ニ
猪股敏郎『図解でわかる 品目・栽培特性を活かす土壌と施肥』 6135 イ

 

農業は「科学」なんだ!と感じました。おいしい秋冬野菜、楽しみです。

また次回の農業講座をよろしくお願いします!

 

カテゴリー: 未分類 | タグ: | 第16回 ブログ版農業講座「秋冬野菜の土づくり」 はコメントを受け付けていません

今月&来月のおはなし会

6月に続き、今月も無事にすべてのおはなし会を開催することができました👏その様子をリポートします‼

7月1日(金)は、町立図書館スタッフによる「赤ちゃんのためのおはなし会」。0歳児を含むお子さん5人が集まってくれました。

プログラムを組んだときは、まだまだ梅雨の時期…と思い「雨ぽつぽつ~音が楽しい本」をテーマに選びましたが、思わぬ早さで梅雨が明けてしまい、困った💦雨降りをイメージした手遊びが「雨乞い」になりました。

今回、おはなし会を初めて担当するスタッフが参加。ドキドキしましたが、真っ赤なきんぎょはどこにいるかな~と絵さがしが楽しい『きんぎょがにげた』で盛り上がりました。

 

10日(日)はすまいりぃさんによるおはなし会。今回のテーマは「夏」です。

子どもたちは、おはなしをじっくり聞き入ってくれました👂

 

16日(土)はさぬき語りの会さんによるおはなし会。

3歳から6歳と幅広い年齢のお子さんが参加してくれました。本を選んでもらったら、怖いのでも大丈夫とのことでしたので、夏にぴったりのちょっと怖いおばけのおはなしを。

さらに、パネルシアターでは『まんまるさん』を。まんまるさんから、耳が出てきて…さて、なんのどうぶつになったかな?

今月、おはなし会でご紹介したえほんのリストはこちらです。

 

8月は、町立図書館は「世界とつながる図書館」となっています。おはなし会でも世界のおはなしがいっぱい‼たくさんお子さんが集まれば、「いきなりおはなし会」が突然始まるサプライズも‼ぜひ、図書館へおいでください。お待ちしています‼

 

 

 

 

カテゴリー: おはなし会 | 今月&来月のおはなし会 はコメントを受け付けていません

夏休みの特別展示 はじまりました🌏

あっという間に夏休みが始まりましたね。

町立図書館でも8月末までの期間、いろいろな夏休みイベントを企画しています。そのメインともなる展示が今週から始まっています。題して『世界とつながる図書館』です‼

おお~👏大迫力です‼

入口正面には、世界のおはなしや世界の子どもたちの暮らしにまつわる本をどど~んと集めました。ロンドンの女の子にハワイの王様、サバンナのライオン、北極のしろくま…世界ではどんな人たちがどんな暮らしをしているのかな?

世界の民俗衣装を着た、等身大(?)のかわいいかりまいちゃんが案内します♪

そして、ミニ特設でも世界のいろいろ、取りそろえています‼

世界中にはおいしいものがいっぱい。おうちで作れるレシピもあります『世界の料理』。イギリスといえばアフタヌーンティ。だけど紅茶はどこからきたの?『世界のルーツ』。名画や建築など世界中のアートを集めた『世界のアート』。そして旅した気分になれる『世界の旅行記』。この夏休みは、本で世界旅行しよう‼

さらに、ティーンズコーナーでは…

世界の名作文学は、翻訳された時代や言葉選びでまったく別の作品に思えることもあります。そんな『世界の名作 読みくらべ』できる本が勢ぞろい。有名作家が訳した世界の名作もあって、とってもおもしろいですよ‼

常設のSDGs展示でも、世界とつながります。テーマは「目標17 パートナーシップで目標を達成しよう」。

SDGsでは、貧困や教育格差、人権、ジェンダー、海洋汚染、そして平和などさまざまな課題解決を目標としていますが、これらはすべて、たった1人の力では解決しない問題です。世界中の人たちが手を取り合って、同じ目標に向かって進まなくてはいけません。では、手を取り合うためにはどうしたらいいでしょうか?

夏休み、じっくり考えてみてくださいね。

 

民俗衣装を着たかりまいちゃんの「ぬりえ」や国旗あてクイズができる「国旗カード」、あなたならどんなタイトルをつける?「世界の名画の作品名を考えよう!」など、楽しいゲームもありますよ‼

いつものおはなし会も「世界とつながる」がテーマ。いろいろな世界のえほんを聞きに来てくださいね‼子どもたちがたくさん集まれば、サプライズおはなし会も開催します。お楽しみに‼

 

海やキャンプもいいけれど、図書館に来て本で世界とつながれば、新しい扉が開くこと間違いなし‼ぜひお越しください‼

 

 

 

カテゴリー: 未分類 | 夏休みの特別展示 はじまりました🌏 はコメントを受け付けていません

今月の展示📚

7月です。思いのほか早く梅雨が明け、いよいよ熱い夏が始まりますね🌞

今年は節電に水不足、そして、それに追い打ちをかける物価高騰でなかなか過酷な夏になりそうです。そんなときは、図書館で涼んでいきませんか?

7月もさまざまな展示で、皆さまをお迎えします‼

まずは入口横のメイン特設では、先月のまんのう読書週間に募集した「あなたの人生を変えた1冊」を展示しています。

子どもが小さいときにいつも読んでいた絵本、本好きになったきっかけの本、青春時代に恩師が教えてくれた本、旧友との再会のきっかけになった本、人生の岐路に何度も読み返した本…だれかの「人生を変えた」大切な1冊が、もしかしたらあなたの人生も変えるかも?

そして、この展示では高篠小学校、琴南小学校の児童の皆さんの「大好きな1冊」も合わせて展示しています。

子どもたちはこれから、もっともっとたくさんの本と出会い、人生の転機を迎えるでしょう。そのときにまた「人生を変えた1冊」を教えてもらえたらうれしいです。

お寄せいただいたエピソードは、図書館オリジナルのしおりにして差し上げています。たくさんありますので、記入いただいた方でなくても、どなたでも自由にお持ちいただけます。思いの詰まった言葉が書かれたしおり、ぜひ、皆さまの読書のおともにしてください。

センターでは、毎年恒例「夏休みの宿題に役立つ本」を取りそろえています。

読書感想文や自由研究、工作などのヒントがいっぱい。これを読んで、宿題を早めに終わらせてしまいましょう‼

課題図書は現在すでに貸出中の本も多いため、予約を受け付けています。お早めにご予約くださいね♪

 

最後に、SDGsの特集展示は「目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」です。

35度を超える猛暑日が続き、全国にある914の観測点のうち、338地点で過去最高気温を記録した6月。東京電力管内では、電力需給ひっ迫注意報が連日発令されました。

この電力不足には、再生可能エネルギーへの転換が関係しています。

私たちが普段使っている電気は、約80%が火力発電によって作られています。しかし、世界的な脱炭素の流れやロシアのウクライナ侵攻による化石燃料の高騰などから、日本の火力発電は縮小され、供給量が低下。その結果、電力不足が懸念されているのです。

つまり、この電力不足は、私たちが目指す持続可能な社会の実現(=SDGs)にとって、避けては通れない道。私たちが節電し、電力不足を乗り切ることこそ、すなわちSDGsなのです‼

私たちの暮らしに欠かせないエネルギーのこと、考えてみませんか?

 

 

 

カテゴリー: 未分類 | 今月の展示📚 はコメントを受け付けていません

直木賞作家・今村翔吾さんご来館🎉

7月1日(金)、直木賞作家の今村翔吾さんがまんのう町立図書館にご来館されたときの様子をリポートします♪

 

 

現在、今村さんは、約4カ月かけて全国47都道府県の学校や書店をワゴンで巡り、各地の読者と交流する「今村翔吾のまつり旅」の真っ最中!当館も旅の行先として、応募し、来ていただけることになりました!100日間、一度も自宅に戻らず旅をするという、すんごい旅を続ける今村さん。私たちも館内を「まつり」一色にしてお出迎えしました。

午前10時すぎには、サイン会に参加するため、すでに多くの方が集まってくれました!この日のために書籍を用意してくれたフジイ書店さんの前に並んでいただいてます。どの本にサインしてもらおうかな。。。

そして、11時。いよいよ今村さんが到着。

このワゴンのなかでは、執筆活動をしながらの移動なんだそう。すごい!この日は、朝から琴南小学校へ訪問。でも疲れた様子も見せず、さっそく館内へ…

サラサラサラ…っと、達筆でサイン。

町立図書館には、特別な一言を添えて…そして、こんな記念写真まで気軽に応じてくださいました。

 

11時50分。満濃中学校体育館で行われたトークショーへ。

事前学習を受けた、満濃中学の1年生、2年生が待ちに待ってます。学校側の配慮で、一般の方も一緒に聞けることに。今村さんならではの関西弁の軽快なトークで、「本との出会い」や「人生には今しかない!という瞬間がある」ことなどを話してくださいました。

作家を本格的に目指すことになったエピソードを、身振り手振りを交えて、熱く語るその姿に、いくつになっても夢をあきらめないでがんばるって素晴らしい!と思わされました。

最後はおちゃめなポーズでしめくくり。集まってくれた皆さまと写真撮影やお話してくださるなど、終始気さくに対応してくださった今村さん。本当にありがとうございました!!!

書いていただいた色紙は今村さんの作品とともに館内に展示しています!ぜひ見に来てくださいね♪

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー: 未分類 | 直木賞作家・今村翔吾さんご来館🎉 はコメントを受け付けていません

まんのう読書週間はじまるよ♪

 

来る6月4日はまんのう町立図書館の開館記念日‼そして、まんのう町民読書の日でもあります‼

毎年6月第一土曜日から2週間、町立図書館では『まんのう読書週間』として、さまざまなイベントを開催してきました。9回目となる今年は、新型コロナの影響で縮小気味だった昨年、一昨年の分も取り戻すべく、パワーアップしてお届けしたいと思います‼

今年に入ってから中止が続いていたおはなし会も、もちろんやります‼

開館記念日である6月4日には、まんのう町の「生涯学習の町 本と生きる町 まんのう町」の基本理念をもとにした「本と生きよう!」読書運動の一環として、特別なおはなし会を開催します。今年のテーマは「心にあかりを灯す」。心がホッと温まる、心がリンと明るくなる、そんな本をご用意してお待ちしています‼

そして、今年9回目ということは…そう!来年、まんのう町立図書館は記念すべき10周年を迎えます‼

そこで、来年の10周年記念特別企画として「図書館オリジナルかるた」を作成することになりました。これから1年をかけ、皆さまから「あ」から「ん」までの五十音を頭文字とした読み札を大募集します!

最初の1か月となる来月は、「あ行」を募集します。館内入口ガラス面に記入台と読み札を貼るボードをご用意しています。まんのう町立図書館にちなんだ読み札を考えてみてくださいね♪

そして、そして、もうひとつ募集があります。題して「人生を変えた一冊教えてください」‼

本を好きになったきっかけとなった本、子どもが小さいときによく読み聞かせた本、目からウロコの教訓を教わった本、共感にむせび泣いた本…

あなたの人生を彩った一冊を教えてくれませんか?

「人生を変えた本」のタイトル、著者名と一緒に、「人生を変えた」エピソードを用紙にご記入ください。こちらは図書館入口、多目的室前に専用の記入台と投函ポストを設置します。

なんとなんと!ご記入いただいた「人生を変えた一冊」にまつわるあなたのひと言は、「しおり」にして7月にエピソードと一緒に展示します!この「しおり」はもちろん、どなたでもご自由にお持ち帰りいただけますよ♪

6月12日(日)は屋外で本を読む「ブックピクニック」、そして先日ブログでもお伝えした「雑誌付録抽選会」は6月4日~18日まで開催しますので、お楽しみに♪

 

まんのう町立図書館は、2013年6月に開館しました。あれから早9年…皆さまの日々の疑問や課題、興味に応えられる図書館であること、そして、小さなお子さんがいる方、ハンディキャップがある方などさまざまな事情、環境にかかわらず、すべての皆さまが利用しやすい図書館であることを目指し、これからも精進してまいります。

 

 

カテゴリー: 未分類 | まんのう読書週間はじまるよ♪ はコメントを受け付けていません

第15回 ブログ版農業講座「益虫を上手に利用した夏野菜」

 

暑くなってきましたね~こんな日は、きゅうりやトマトをいっぱい乗せて冷やし中華なんかを食べたくなりますね♪

きょうは、4月28日に中止となった農業講座「益虫を上手に利用した夏野菜」をブログ版としてお届けします。写真いっぱい、虫が苦手な人はちょっとだけ【閲覧注意】です!笑

豊嶋和人さん、よろしくお願いします!

 

【益虫を上手に利用した夏野菜】

春の農業講座でやるはずでした内容をブログ版に再構成してお届けします。今までのブログ版農業講座と重なる内容もありますけどご了承くださいね。

トマトになすびにピーマン、カボチャ。キュウリにスイカにオクラ。忘れちゃいけない甘〜いとうもろこしや枝豆…みなさん、夏野菜は植え終わりましたか。最近はホームセンターなどでわりと遅くまで苗を売ってますので、良苗があれば今からでも夏に向けて家庭菜園や少量多品目の菜園を楽しめますね。

春から夏にかけては気温が上がりますので害虫の勢いも増します。アブラムシからはじまって、アザミウマ、オオタバコガ、ハスモンヨトウときて、秋口に少し涼しくなってくるとまたアブラムシが帰ってきます。

夏野菜の苗についたアブラムシをテントウムシが食べているのを見つけると頼もしく思えますね。でも、テントウムシがやってきた頃にはアブラムシが大増殖してすでに葉がいじけてしまっていたなんてことのほうが多いんじゃないかと思います。ではあらかじめテントウムシなどの天敵昆虫に待ち伏せをしてもらいましょう…というのが今回のテーマです。

どこで待ち伏せしてもらいましょうか。餌となる害虫がまだ発生していない作物の葉の上で待っといてつかよと言ってもお腹が減るだけなので待ってはくれません。作物のそばに天敵の居場所を作る必要があります。居場所に必要な条件はそこに餌かねぐら(隠れ場所)もしくはその両方があることです。かといって巣箱のようなものや人工の餌を用意する必要はありません。居心地の良い、ただし作物の害虫を増やさない植物を作物のそばに用意すればいいのです。

そういう植物のことをコンパニオンプランツ、あるいはバンカープランツ、インセクタリープランツなどと言ったりしますが、それぞれ微妙に定義が違う上にややこしいのでここでは3つの分類にまとめてしまいましょう。それは

A「それ自体が天敵昆虫の餌となる植物」

B「天敵昆虫の餌となる虫を集める植物」

C「天敵昆虫の隠れ場所を提供する植物」

です。

 

Aから見てみましょう。天敵昆虫って害虫を餌とするから天敵昆虫って言うんじゃないの?と思われるかもしれません。ところが植物も虫も食べる雑食の虫がいるんです。それに、アオムシとモンシロチョウを思い出してもらえればわかりやすいと思うのですが、幼虫と成虫で食べ物が変わる虫もたくさんいます。雑食カメムシのヒメハナカメムシは花粉も食べますが、アザミウマなどの微小昆虫も食べます。ヒラタアブは成虫は花粉を食べるハナアブですが、幼虫はアブラムシを食べます。植物性の餌「も」食べる天敵昆虫の居場所となるのがAです。

Bはアブラムシの天敵昆虫にいてほしいときに、守りたい作物にはつかないアブラムシに寄生される植物を生やしておくと、その植物上で天敵昆虫が増えてくれるというものです。アブラムシにはたくさんの種類がいますが、特定の科の植物の汁しか吸えないアブラムシもいます。イネ科ならば、ムギクビレアブラムシ、ヒエノアブラムシ、トウモロコシアブラムシといった連中です。マメ科ならソラマメには必ずといっていいほど現れるソラマメヒゲナガアブラムシやマメアブラムシです。一方で夏の果菜類など多くの野菜の汁を吸うモモアカアブラムシやワタアブラムシはマメ科やイネ科の汁を吸うことは稀です。

よく畑の枕の肥料分の少ない場所にカラスノエンドウが生えることがありますが、カラスノエンドウにつくソラマメヒゲナガアブラムシやマメアブラムシをめがけてテントウムシなどのアブラムシの天敵がやってきます。そういう畑のカラスノエンドウは邪魔にならないならそのままにしておいて夏野菜を植えると、カラスノエンドウ上で増えたテントウムシが夏野菜も守ってくれるというわけです。ただし、ソラマメにはカラスノエンドウで増えたマメ科につくアブラムシが飛来しますからソラマメの近くではカラスノエンドウは除去したほうがよいでしょう。

Cは低い背丈で地面を被覆するような植物です。身近に生えているクローバー、園芸店で売られているバーべナやイワダレソウのようなグランドカバー植物、あるいは春播きすると穂を出す前に枯れる大麦などもそうです。これらは雑草を抑える力も強くて便利です。そんな植物に覆われた場所には、アザミウマやハダニを食べるカブリダニ、イモムシを食べるコモリグモやゴミムシ、ハサミムシなどの甲虫類が増えます。

ちょっと表にまとめてみましょう。

A「それ自体が天敵昆虫の餌となる植物」

植物 集まる天敵 天敵が捕食する虫
ゴマ、クレオメ タバコカスミカメ アザミウマ、コナジラミなど
オクラ、アリッサム、バジル、マリーゴールド ヒメハナカメムシ アザミウマ、アブラムシなど
ソバ、キンセンカ、菜の花などお花(花が多いほどよい) ヒラタアブ(成虫) アブラムシ

B「天敵昆虫の餌となる虫を集める植物」

植物 集まる天敵 天敵が捕食する虫
ムギ、ソルガムなどイネ科の草 テントウムシ、ヒラタアブ、クサカゲロウ、アブラバチなど アブラムシ
カラスノエンドウ、スズメノエンドウなどマメ科の草 同上 同上

C「天敵昆虫の隠れ場所を提供する植物」

植物 集まる天敵 天敵が捕食する虫
春まき大麦小麦、ソバ、クローバー、その他グランドカバー植物 カブリダニ アザミウマ、ハダニ
同上 コモリグモ、ゴミムシ、ハサミムシ等 ハスモンヨトウ、コナガなどのイモムシ

AからCの特徴のうち2つを兼ね備えた植物もいくつかありますね。そしてこれはあくまで例に過ぎません。農家や研究機関の探究によって、これらの表は近年充実の一途をたどっているのです。みなさんもまずは表にあるような定番を試してみて、それならこの草や花はどうだろう、これなら風よけと一石二鳥では、収穫できる作物同士でもできるのでは、と想像をめぐらせ、実際試してみてください。

作物と別に麦なんか播くのめんどくさいという方もいらっしゃるでしょう。実はわたしもそのくちなんですが、お隣が麦畑だとアブラムシの寄生バチが増えてアブラムシが少なくなります。少しはいるんですが、大きくは増えないんですね。アブラバチに寄生されたアブラムシは表皮が金色になります。これがきれいなんですよ。

 

 

いかがでしたか?虫にも、益虫、害虫いろいろあるんですね~

次こそは、対面での農業講座が開催できることを願いつつ…お楽しみに!

 

 

カテゴリー: 未分類 | タグ: | 第15回 ブログ版農業講座「益虫を上手に利用した夏野菜」 はコメントを受け付けていません

㊗開館記念日 雑誌付録抽選会のお知らせ

 

来たる6月4日は、まんのう町立図書館の開館記念日です!

町立図書館では、この日から2週間を『まんのう読書週間』として、毎年さまざまなイベントを開催してきました。いよいよ10周年に向けての1年となる今年は、よりパワーアップして、利用者の皆さまに楽しんでいただけるような企画をたくさん考えています!

きょうはその目玉イベントのひとつ、『雑誌付録抽選会』についてご案内します♪

 

図書館には、週刊、月刊など約40タイトルの雑誌を常時ご用意していますが、なかには、とっても豪華な付録がついていることがあります。そんな雑誌付録のなかで、図書館での保管期限を過ぎたものを、皆さまに還元するイベントを開催することになりました!

雑誌付録は、こんな感じで詰め合わせ、合計45セットご用意します!

開催期間は、6月4日(土)~18日(土)。お時間がない方、たまにしか来られない方にもご参加いただくために、早い者勝ちではなく、抽選とします。ゆっくりと選んでから、ご応募くださいね♪

まずは、開催期間中、5冊以上の貸出レシートをカウンターにお持ちください。エントリーシート(応募券)をお渡ししますので、入口横に展示してある付録セットのなかから、ご希望の品を選んでいただき、そこに貼ってあるひらがなを記入。スタッフにお渡しいただければ応募完了です。

なるべく多くの方のお手元に届けるため、お1人様1エントリーまでとさせていただきます。

抽選結果は、6月19日(日)以降、図書館HPとFacebook、館内掲示で発表します。また、付録の抽選に外れても、参加者全員に、まんのう図書館オリジナルブックカバーをプレゼント!いずれも応募時にお渡しする引き換え券との交換になりますので、ご注意くださいね。

予定している雑誌付録の一覧はこちらです。現物は6月4日以降、図書館内の展示でご確認ください!

 

現在、心をこめて準備中です!お楽しみに!

 

 

カテゴリー: 未分類 | ㊗開館記念日 雑誌付録抽選会のお知らせ はコメントを受け付けていません

5月の新しい展示はじめました📚

 

風がさわやかに感じられる季節になりましたね🌱

5月に入り、スタッフがそれぞれテーマを考えて本を選ぶミニ特設コーナーもリフレッシュ。

GW真っ只中!どこへも出かけられない人たちへおススメの『おでかけした気分』。そろそろ仕事が憂うつになってくる時期です『五月病を上手に乗り越える心理テクニック』。そして、連日ニュースになっているロシアによるウクライナ軍事侵攻、北海道では大きな船舶事故が起きました。それに新型コロナでは、毎日亡くなる方がいます。『命について考える本』を集めました。

SDGs常設展でも「命」について考えます。

今月の特集は『目標16:平和と公正をすべての人に』です。

なぜ世界には戦争があるんだろう?ごく普通に学校に通い、家族や友だちと笑い合い、おいしい御飯が食べたい。爆弾におびえて生きるのはいやだ…それはだれでも同じはずなのに、どうして戦争はなくならないんだろう?

味方の顔と敵の顔。あなたの顔となにか違う?そう問いかける『へいわとせんそう』(谷川俊太郎∥文, Noritake∥絵,ブロンズ新社)。ぜひ読んでみてください。

 

そしてそして、こども読書週間は5月12日まで‼

大好評の『えほんdeしりとり』は、たくさんのお友だちが参加してくれて、ボードがいっぱいになりました!まだまだ続きますので、ぜひ本を探してみてね♪

『こどものほんポップコレクション』も新たな本を追加して、みなさんをお待ちしています‼

まんのう町立図書館は、GW中も火曜日以外は開館しています。ぜひ、お越しください‼

 

カテゴリー: 未分類 | 5月の新しい展示はじめました📚 はコメントを受け付けていません

第14回 ブログ版農業講座「みんな知りたい病害虫のこと 後編②」

お待たせしました‼

2月にアップした「みんな知りたい病害虫のこと」後編の第2弾が届きました。前回に引き続き、テーマは「イネにつく虫」。講師は、もちろん豊嶋和人さんです。

今回は、あっと驚く新事実が発覚しますよ!

【みんな知りたい病害虫のこと 後編イネにつく虫②】

前回からずいぶん間があいてしまいました。カメムシ以外の稲につく虫のお話をしたいと思います。

稲につく虫と聞いて思い浮かべる虫は世代によってだいぶ違うのではないかと思います。80歳以上ならば茎に幼虫(いもむし)が入って大きな被害をもたらしたニカメイガ、サンカメイガが浮かぶのでしょうか。それらの虫はコンバインによるわらの裁断や稲の品種改良によってほぼ絶滅してしまいました。

40歳以上ならばウンカでしょうか。余談ですが、全身が緑色でお尻だけ黒い、家の灯りをめがけて入ってくる小さな虫が昔はよくいましたよね。あれはツマグロヨコバイといって、同じカメムシ目ですがヨコバイの仲間でウンカとは異なります。じゃあウンカってどんなんよと言われるとセミ(セミもカメムシ目です)をちっちゃくしたような虫ですが、じつはわたしもちゃんと見たことがありません。水田には水を張ってますし、多くのウンカは稲の比較的下の方で汁を吸っているからです。

今年は普段見えない稲の虫を観察するために陸稲を植えてみようと考えています。畝を立てて陸稲を植えるなら観察が容易です。陸稲にはアブラムシもつくようですが、それはそれで観察が楽しみです。

というわけで陸稲の苗を立ててみました。今回の写真はこれだけです。

さてウンカですが、記憶が新しいところで一昨年の秋、丸亀平野でも結構、「坪枯れ」という現象が見られました。まるでミステリーサークルのように田んぼの稲が円形に倒れて枯れているのです。ひどいところでは田んぼ一枚全部枯れます。これはトビイロウンカというウンカが株元の茎の汁を吸って収穫期の稲を倒してしまうものです。

このウンカの被害が出るのは9月中旬以降ですが、田んぼに侵入するのは6月から7月にかけてです。中国南部からベトナム北部の東海岸を飛び立ったウンカは梅雨時期のジェット気流に乗って日本までやってきます。そうして降り立った水田にそのまま滞在し、世代を重ねて増殖し、秋に大きな被害を及ぼすというわけです。稲を枯らしたウンカは田んぼを飛び立ちますが、日本の気候では越冬できず、かといって大陸に戻ることもできず、死滅します。なんとも悲しい虫ですね。

去年は坪枯れは発生しませんでした。同じくジェット気流に乗ってくるツマジロクサヨトウも見かけませんでした。去年は梅雨入りが5月と早く、これらの虫の飛来も早くなるのではないかと警戒していたのですが、肩透かしを食いましたね。このあたりがトビイロウンカの難しいところです。

とはいえ、その前年は珍しく香川県でも坪枯れ被害が出たように、トビイロウンカの被害は西日本各地で近年目立っています。温暖化で到着後のウンカが以前より増えやすくなっているのかもしれません。

もうひとつ言われているのは、殺虫剤抵抗性ウンカのまん延です。トビイロウンカが生息している亜熱帯では年に2回稲を作ることができますが、そういった地域でも近年は省力化、収量アップのために殺虫剤を使用します。作付回数が多いところで同じ殺虫剤を連用すると、抵抗性を持ったウンカが出現します。そして日本に飛んできて育苗箱施用の殺虫剤が効かずに増殖し、被害を及ぼすというわけです。それに対応するために、西日本で使う育苗箱施用の殺虫剤も最近ガラッと変わりましたね。海を越えて飛び込んできた虫をその時点で叩くのが一番の防除方法です。最近開発されたウンカ用の殺虫剤はそれまでのものより環境負荷もおおむね低くなっています。

殺虫剤に抵抗性をつけた虫が飛んでくるのはとんだ迷惑だと感じるかもしれませんが、同様に香川県で抵抗性をつけた野菜の害虫コナガやシロイチモジヨトウなどが東日本や北日本に飛んでいくこともあります。大事なのは知識と、農薬も多数人が使い、使いすぎで目減りする資源であると認識することだと思います。

虫ではありませんが、最近の田んぼでの困りごとといえばスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)ではないでしょうか。うちの田んぼで初めて見かけたのは2004年の秋でした。稲刈りの際に畦畔にうみつけられた卵を見つけたのです。その年は台風が多くていろんなものが田んぼに流れてきていました。それからあっという間に増えましたね。

対策はいろんなところに書かれているのでここでは触れませんが、最近ふれてハッとしたものを紹介します。ジャンボタニシも温暖化の影響でミナミアオカメムシなどとともにどんどん北上し、今では千葉県あたりでも大問題となっているようです。もう公開が終了してしまったのですが、千葉県農林総合研究センターの研究成果発表の動画を見ていましたらジャンボタニシ対策で面白い成果がありました。西日本ではもうおなじみとなったジャンボタニシ対策、厳冬期のトラクター耕うんによる防除についてです。厳冬期にロータリーの回転数を上げて耕うんすると、貝に傷をつけたり寒風に当てたりしてジャンボタニシを防除できますが、その際のより効果的な土壌条件を検討していたのです。それによりますと、土が固く締まっているときのほうが貝が土に固定されているために貝にロータリーが当たりやすくなるそうです。確かにほぐれた土では貝がロータリーの間をすり抜けてしまいそうです。ということは稲刈り後すぐに一旦耕うんしてしまうのは労力がかかるだけでなくジャンボタニシの防除にも逆効果ということになります。

東京都も含めた47都道府県に農業を研究する公的機関が設置されています。わたしたちが習慣として当たり前に行っている作業も他県の農家にとっては決して当たり前ではなく、そのためにその県の研究機関が新たに検討を加えることがあります。そういう研究成果は大変貴重なのでぜひ利用させてもらいましょう。「○○県+農業試験場」で検索するとコロナ禍でも楽しい楽しい国内研修旅行ができますね。ただし、その土地の気候や土壌の性質の香川県との違いは常に意識しておく必要があります。

 

今回ご紹介する本は、最近読んだ

『香君(上下巻)』上橋菜穂子∥著 (F ウエ)

ファンタジー世界の農業試験場の研究者たちがイネの害虫と戦う物語と言えるかもしれません。一難去ってまた一難。国民を支える穀物を維持するのは大変なことです。下巻巻末の参考文献には応用昆虫学や生態学の名著が並んでいてこちらもみんな面白いですよ。

いかがでしたか?私たちスタッフも、夏になると家に入ってきてやっかいだなと思っていた、あの緑色の小さな虫を「ウンカ」だと信じていたのに、実は違っていたという事実に驚愕しています。笑

4月28日に予定していた農業講座『益虫を上手に利用した夏野菜』は残念ながら中止になってしまいましたが、その内容は次回、こちらのブログ版農業講座でご紹介させていただきますね。お楽しみに♪

 

カテゴリー: 未分類 | 第14回 ブログ版農業講座「みんな知りたい病害虫のこと 後編②」 はコメントを受け付けていません