秋も深まり、文化や芸術触れる機会も多い季節ですね。
図書館では秋の読書週間の最後を飾るイベントと致しまして、『大人のためのおはなし会』を開催いたしました。
おはなし会と聞くと、子どもを対象とした催しと思われるかもしれませんが、「大人の大人による大人のための」素敵なおはなし会があるんですよ。
絵本や紙しばい、時には様々な小道具を使って物語を紡ぐおはなし会とは違い、「ストーリーテリング」という手法で語る、上質な言葉のエンターテインメントがあるのです。
絵本は勿論のこと、台本もあらすじを書いたメモさえも持たず、聞き手の前にただ一人で立ち、言葉のみですべてを物語るのが、ストーリーテリングといわれる語りの技術です。
小道具が添えられているとすれば、それは表情とわずかな手の動きだけ。声の強弱や抑揚で、物語の情景を表現します。
決して大仰ではない、抑制の効いた語り口が、聞き手の想像力を刺激し、何もないはずの眼前に物語が描き出されていきます。
まさに、知的芸術です。
今回は、『さぬき語りの会』から4人のストーリーテラーの皆さまが来てくださり、香川の民話をはじめ外国の童話や日本の昔話など、バラエティーに富んだ物語を聞かせてくれました。
それぞれに違った魅力があり、言葉によって導かれる不思議で心地よい、少しだけ夢を見ているような時間を楽しませてくれました。
終わった後の余韻に胸がポッと暖かくなるような、素敵なおはなし会でした。
『さぬき語りの会』のストーリーテラーの皆さん、素晴らしいおはなし会をありがとうございました。