2月23日(木)、図書館会議室で郷土史講座が開催されました。今回はなんと、11名もの方が参加してくださいました!
本当にありがとうございます!!
今回の講師はまんのう町文化財保護協会の会長、菅原さんです。琴南にある吉田寺誕生の秘密をお話していただきました。
吉田寺は、天保12年(1841年)に建立された、比較的新しいお寺。
平成元年、長らく住職もなく荒れ果てていた吉田寺を修復していたところ、絵のみで文字のない謎の掛け軸が発見されたそうです。その掛け軸を西村家に伝わる庄屋文書と照らし合わせてみると、その中の「喜平一代記」と内容がぴったり一致したことで、吉田寺誕生の秘密が明らかになったんですって。
吉田寺の開基(起こした人)であり、初代住職、喜平治(浄順)の先祖が近江国の守護職から没落し、栄枯盛衰を繰り返しながら琴南に流れ着いてくる物語。喜平治の巡礼の物語、友人の夢のお告げ、そして、喜平治が起こした奇跡の数々が、掛け軸と「喜平一代記」からひもとかれていく様子はとても興味深いものでした。
比較的新しいお寺であるため、確かな記録が残っていることも特徴で、「喜平一代記」の入っている庄屋文書には、吉田寺建立のための手続きなんかも記されているそう。伝説的できごとと実務の交錯する史料の世界に、参加者の皆さんもわくわく😊
吉田寺では、建立当時から毎年5月16日に春市が立つのですが、現在では5月16日直前の日曜日に催されるそうです。普段は厳重に保管されている建立の物語の掛け軸は、春市の時にお披露目されるとのことですので、ぜひ足を運びたいですね!
有名な寺院の建立のお話を耳にして、その奇跡譚に感心することってありますよね。やはり有名なお寺には偉大な物語があるんだなぁなんて思ったり…。でも遠い存在に感じられる物語も、実はすぐ近くにあるもの。郷土にはそんなかくれたロマンがいいっぱいあるんです!
まんのう町立図書館では、ひきつづき郷土の魅力を伝える講座を開講していきます!
お楽しみに!
『先人の営みを訪ねて[琴南地区文化財悉皆調査]』菅原良弘/編 まんのう町文化財保護協会琴南支部
『まんのう町ふるさと探訪総集編 平成十八年度~平成二十四年度』まんのう町文化財保護協会/著
『まんのう町ふるさと探訪総集編 平成十八年度~令和二年度[まんのう町生誕15周年記念]』まんのう町文化財保護協会/編 まんのう町文化財保護協会
今回のテーマ、吉田寺の歴史の関連資料も借りることができます📖
郷土コーナーにございますので、この機会にぜひ手に取ってみてくださいね。