第28回ブログ版農業講座「野菜の暑さ対策」

農業講座を7月17日(木)に開催しました。
テーマは「野菜の暑さ対策」。
今年の暑さは例年にもまして厳しいですよね。余談ですがトルコでは最高気温50℃を超えたとか…💦
人間でもこの暑さには体力を奪われ、体調が良くない時があります。野菜も一緒で、暑さ対策が必要です。暑さで野菜が焼けたり、虫が増えたりいろいろなトラブルが起こります。そこで、今回は水やりのコツや、便利な道具の紹介を教えていただくことに。
講師はもちろん、まんのう町立図書館「まんのう町の達人」の豊嶋和人さんです。

さて、ここからはブログ版農業講座をお届けします。

それでは豊嶋さん、よろしくお願いします。

今回の農業講座は野菜の暑さ対策ということで、ちょうど梅雨明け頃を狙って日程を組んでいたのですが、6月中に梅雨が明けてしまってびっくりですね。そんなわけで参加いただいた皆さんの関心も高かったようです。

そもそも暑いとなんで植物は困るかといいますと、光合成がうまく行えないケースが増えるんですね。みずからが干からびないように気孔を閉じてしまうと光合成に必要な二酸化炭素も吸えなくなります。また、気温が高いと葉はどんどん出ますが、それぞれの葉が大きくならないうちに次々と出てきてしまいますから、結局は実を大きくするために必要な葉の面積は小さくなってしまい、うまく実ができない。あるいは害虫が多発して葉を食べてしまい、やっぱり葉の面積が小さくなる、なんてことも起きてしまいます。

では植物の周りの温度を下げるにはどうすればいいでしょうか。人間のようにエアコンは使えませんが(種まきはエアコンのついたお部屋でやってもいいかも)、日傘やグリーンカーテン、ミスト装置のようなものは使えるかもしれません。遮光ネットや生け垣などの日除けとなる植物、光を土のなかに届かせない(かつそれ自体が熱をためない)白黒マルチを利用しましょう。

水やりも温度を下げるのにとても重要です。水が蒸発する際に熱を奪っていきますからね。夏の高温と乾燥から植物を守る水やりのタイミングと方法をそもそもの植物にとっての水の役割から考えてみました。ミストファンや潅水チューブも以前よりホームセンターなどで手に入りやすくなりました。

 

植物も人間もこの暑さですから無理は禁物です。こまめな水分補給をしながら楽しい範囲でやりたいですね。といったところで、当日ご紹介した図書館所蔵の資料は以下のとおりです。

今回は品種の話はしなかったのですが、最新の暑さに強い品種については『現代農業』誌の2月号品種特集が詳しいです。
・雑誌『現代農業』
2024年2月号、7月号、8月号
2025年2月号、5月号、7月号、8月号

高温による障害でまず困ったのは水稲なんですね。
というわけで研究が進んでいるのもやはり水稲になります。
・森田敏 『イネの高温障害と対策』
(農山漁村文化協会/6162モ)

去年の秋から冬にかけてキャベツやブロッコリーが高かったのは記憶に新しいところですが、ブロッコリーが高かったのは秋がいつまでも暑かったために食べる部分のもとになる花芽がなかなかできなかったことも原因のひとつです。
・藤目幸擴『ブロッコリー・カリフラワーの作業便利帳』
(農山漁村文化協会/6266フ)

暑いときは無理せずに部屋のなかでできる園芸を楽しむのもいいかもしれません。根の様子が観察できるところも水耕栽培の楽しいところですね。
・伊藤龍三『人気ブロガー・横着じいさんのかんたん水耕栽培決定版!』
(主婦と生活社/6269イ)

人間やきまぐれなお天気の都合と関係なく、なるべく植物にとって理想の環境を整えてやるのが植物工場ですが、その理想の環境について教えてくれます。
・日本施設園芸協会,日本養液栽培研究会『養液栽培のすべて』
(誠文堂新光社/6157ヨ)

豊嶋さんありがとうございました。
農業に関するご質問は図書館内の質問用紙やメールでも受け付けております。
豊嶋さんがご回答くださいますので「農業講座で聞きたかったけど時間が…」「この質問をしたかったけど忘れていたな」「聞きそびれたのでもう一度聞きたい」など、農業に関する質問があればぜひご利用ください。

今年度の日程は
①10月16日(木)「ゼロから始める野菜づくり」
②1月22日(木)「春夏野菜の備えて」
です。

年間でのお申し込みも現在受付中!
募集告知は図書館内の掲示物やFacebook、告知放送で行います。
まんのう町立図書館スタッフ一同、みなさまのご参加をお待ちしております。

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