春を満喫する前に、もう夏の気配を感じさせるような陽気になりましたね。
空が青い、太陽がまぶしい…、あぁ、日焼けが気になる…。
もうそんな季節です。
さてさて、園芸家の皆さま、家庭菜園をお楽しみの方々、長らくお待たせいたしました。
2021年春、ついに「農業講座」の再開です!!
昨年4月より、“ブログ版” として連載を重ねてくださっている、講師の豊嶋和人さんも、“生” で登場です!!
今回のテーマは、『お墓さんの花を育てましょう』
晴天に恵まれた4月12日㈪、お花好き、園芸好きの皆さんが、たくさん集まってくださいました ☀
まず、今回のテーマである「お墓さんの花」。
昔から地元のおばあちゃんたちが育ててきた仏花は、人間を楽しませるだけでなく、畑の多様性を広げ、虫や野菜も喜ばせるという、素晴らしい付加価値を秘めているんだそうです。
野菜よりも、むしろ地産地消に向いた植物だということなんです。
仏花の定番である、キク、アスター、ケイトウ。
うまく育てるコツといっても、花それぞれに病害虫や苦手な環境が違います。
例えば、キク科のアスターやキクは、化成肥料よりも有機肥料の方が良いそうです。
ヒユ科のケイトウは、水か少なくてもどんどん増え、乾燥にも強いので育てやすいのだそうです。
写真①は、200穴トレイにアスターを播いた2週間後の様子です。発芽までに1週間ほどかかりますので、播いた時の水分を維持するのが要点だそうです。
またアスターは、高温加湿に弱く、乾燥を防いでやることが大切です。
写真②は、細かい鹿沼土に挿したキクの押し穂を、根が出るまで半日陰を作って養生しているところです。最近では、上のアスター同様に、セルトレイで育苗することも多いようです。
キジが遊びに来ている写真③では、手前のキクは白いマルチに、奥のケイトウは黒いマルチに定植しています。キクは夏にあまり地温を上げたくありませんが、ケイトウは強いのでお構いなし (笑)
ただ、草は生やしたくないので、ならば安くて草が生えない黒マルチの出番です。
冬は逆に地温を上げるマルチを使えば、沿岸部で露地栽培されるキンセンカをまんのう町のような内陸部でも立派に育てられます。
黒マルチでも地温は上がりますが、冬はマルチの下に赤外線を通す、各種の透明~半透明のマルチがとても有効だそうです。
上記のように、透明から順に地温が上がりますが、透明と茶は、マルチの下に草が生えやすい難点があります。
写真⑤は、冬に収穫する超極早生たまねぎのマルチですが、左が茶色、右が青です。黒に見えますが、日に透かすと青く見えます。
当日は、花づくりに便利な道具も、紹介してくださいました。(写真⑥)
産直出荷の花屋さんである豊嶋さんは、写真⑦のような道具を使って、植え付けをされているそうです。
下のくちばしを地面に突き刺して、苗を上の口から投入し、その後ハンドルを握ってくちばしを開かせると同時に引き抜けば、リズムよく苗を植えることができます。
同様の仕組みでもっとコンパクトな道具もありますが、腰痛持ちの豊嶋さんは長い筒の道具を使っているそうです。
潅水チューブに関しては、当日あまり時間を割くことができなかったので、前回のブログ版で予告した畑の水の話と併せて、次回のブログ版で解説してくださいます。
ブログ版も連載は続いていきますので、そちらの方でもお楽しみください。
最後に、豊嶋さんからのメッセージです。
お花と野菜の共存する多様性の豊かな畑は何かといいことがあります。今回は夏の3種類 + おまけの冬の2種類しか紹介ができませんでしたが、ぜひいろんなお花にチャレンジしてみてください。
初心者からベテランまで、園芸を楽しむ多くの方々にとって、とても楽しくて勉強になる講座となりました。
豊嶋さんの柔らかく親しみやすい語り口に、受講者の皆さんも吸い寄せられるように耳を傾けていました。
講師を囲んで質問攻め! といった場面も (^_-)-☆
豊嶋さん、ありがとうございました。
次回の農業講座は、8月に秋冬野菜をテーマに開催予定です。お楽しみに ☺
豊嶋さんおすすめの、町立図書館にある花づくりに役立つ本と、参考になるウェブサイトも併せてご紹介します。
参考文献:
『農家が教える切り花40種』 農文協 編 (627ノ)
『多年生雑草対策ハンドブック』 伊藤操子 著 (6156イ)
参考になるウェブサイト
◆全国農村教育協会 病害虫・雑草の情報基地 https://www.boujo.net/
◆タキイ種苗|調べる[花]病害情報 https://www.takii.co.jp/flower/bugs/
◆サカタのタネ 失敗しない栽培レッスン(花)
https://sakata-tsushin.com/oyakudachi/lesson/flower/
講師の豊嶋さんに教えてほしい農業に関する質問は、メールでも受け付けておりますので、下記までお送りください。