郷土史講座「満濃池~絵図に描かれた満濃池~」

10月14日(月・祝)、郷土史講座「満濃池~絵図に描かれた満濃池~」が開催されました🐉

講師はおなじみ、四国学院大学講師の池内敏樹さん!

2019年に国の名勝に指定されたまんのう町のシンボル「満濃池」についてのお話です。

満濃池には長い歴史があり、どこを取っても興味深い内容ばかりです。

 

満濃池の歴史について、今回は題名通り貴重な絵図資料を使って語っていただきました。

最初に、町職員がオークションでゲットしたという近世の絵図、「満濃池遊鶴図」を見せてくださいました。昔は、満濃池に鶴が飛来していたんですね。

この史料には、満濃池の重要なポイントが描かれています。

護摩壇岩、堤、池之宮、余水吐(ウテメ)…ハイ!これらは、今から大事なところです✋

近世の堤は、護摩壇岩と池之宮をつなぐ形だったようです。

 

さっそく先生から問題!

いただいたパンフレットを開いて、幕末から明治初期の図絵を確認。護摩壇岩、堤、池之宮をさがしてみましょう。

どこにあるか分かるかな??今とは少し異なる満濃池の姿に、受講者もうーんと考えている様子でした。

 

また、基礎知識として当時のため池の取水設備の構造も教えてくださいました。

構造の史料にもしっかり残っているんですね!

満濃池の近世の取水設備はなんと木造😲

宮大工が設計した竪樋やユル、底樋は、当時の最新テクノロジーを駆使して作られたそうです!

工事現場は大切な技術の伝播の場。集まった庄屋さんたちは、そこで得た技術を郷里に持ち帰ったり、人脈を築いたりしたそうですよ。

絵図には工事に関わる藩の幟も見えました。知識があれば、絵図からいろんなことを読み解くことができるんですね。かっこいい!

工事の中でも底樋の工事は、堤をまるっと掘り下げての大工事です!

大勢の人を動員しての工事の様子は見物人を集め、当時の観光地にもなっていたそうです。

堤を踏み固めるため、音頭に合わせて大勢が一斉に動く様子を描いた絵図は、まるでスイミー🐟

一塊となって巨大な生き物のようでした。

 

とはいえ、木造の底樋は度々工事が必要になります。

そこで、底樋が石造化されました。

しかし竣工の翌年に堤が決壊し、大惨事に。

当時の図絵では、堤がまるごと抉れてなくなっています。

そしてなんと、干上がった満濃池の中に川が…

満濃池は、それから明治時代まで放置されることになったそう。

 

今でこそ全国的に知られる満濃池ですが、実は中世の間にも姿を消していたということです。

屋島の合戦の前年に決壊し、なんと!以後450年間存在しなかったとのこと。

その間に、池跡の中に池之内村が成立したそうです。

お!

地名にしっかり名残があって嬉しくなりました。

 

 

時代は下って明治時代、長谷川佐太郎氏の尽力で、再び満濃池が復活!

この時、大きな変化がありましたよ。

底樋は余水吐があったところ下にトンネル化。

余水吐はというと、護摩壇岩側、東になりました。

 

 

大正時代になると、工事の様子が写真で残されています📷

「満濃のユル抜き どっとせーい」の掛け声とともに、ユルの栓(すっぽん)が引き抜かれる様子。

大勢で梃子の原理で抜いていたんですね。

 

この頃赤レンガ取水塔ができ、満濃池のシンボルになったそうです。

現在の取水塔は戦後のもの。赤レンガでできた大正ロマンな取水塔も見てみたかったなぁ…😌

 

現代の満濃池をパンフレットで確認してみましょう。

護摩壇岩、堤、池之宮はどうなっているかな?

おやおや? なんだかおかしいぞ?

 

昭和の改修で、満濃池が6m底上げされました。

そこで、大きな変化があったんです。

堤防が後退して護摩壇岩が陸から切り離されてしまいました!

池之宮のあった場所は水に沈んでしまったそう。でも、ご安心ください。池之宮は現在の神野神社だそうです。

余水吐もトンネルになり、堤防の向きも南西に変化。

 

満濃池は忘却と改修を重ねて、徐々に今日の姿になっていったんですね。

 

 

ここでお待ちかね、前回参加された方からリクエストのあった龍神伝説のお話も聞けました🐉

 

今昔物語から、子蛇になってひなたぼっこしていた龍が天狗にさらわれるお話。

龍って、水がないと元の姿に戻れないそうで、ちょっと可愛らしいですね😊

 

京都の神仙苑での、弘法大師による雨乞祈祷の様子も描かれていました。

現れたのは5尺の蛇。やっぱり龍は蛇の姿です。

 

龍神伝説は弘法大師とともにもたらされたとのことでした。

 

ところで、この蛇の姿で現れる龍、何者なのでしょう?

答えは善女龍王。そう、綾子踊りの龍神様!

善如龍王という男性の神様が、善女龍王という女性の神様に変化していったそうです。

人間の姿でもしっぽがありますよ🥰

竜王山という名の山には、この神様が祀られているんですって😲

 

 

今回の講座は、パンフレットを使ってクイズの出題があるなど、参加者様を交えての楽しい講座となりました!

質問タイムでは、参加者された方たちも聞きたいことが止まらない様子!

地域のみなさんの、満濃池に対する関心の高さがうかがえました。

さすが、まんのう町のシンボルですね★

 

今年度の郷土史講座はこれにておしまい!

 

 

今年度開催した講座はこちら!

どの講座でも、奥深い郷土の魅力を再発見できました🔍

 

まんのう町立図書館では、来年度も新しいテーマで郷土史講座を開催していきます。

満濃池は、テーマを変えて毎年開催予定ですよ😃

講師はもちろん、池内敏樹さん。

詳しくは、ブログやFacebook、行政放送などでお知らせします。

 

 

池内さん、参加してくださった皆さま、来年度もまたよろしくお願いしまーす!

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